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身体の声を聞きましょう:脳は疲労に麻痺します

みなさん、こんにちは。
カウンセリングサロン ミエル 産業カウンセラー 野木ちさとです。

今日は、わたしたち誰にでもある「疲労」のお話をしようと思います。

先日、ある若い女性がサロンを訪れました。

彼女は、原因がまったく分からないのに、最近急に肩が痛くなり、腕が動かせなくなったり、腰が痛くなったり、座骨神経に痛みが走ったり…と、体中が痛んで困っていると言います。

病院には行ってみても原因はわからないと言われるのだそうです。
 

そこで、彼女の日常生活について、話をよく聞いてみました。

すると、介護が必要なお母さんと一緒に暮らしているとのこと。

わたしは、「お母さんのお世話が身体に負担になっているのではないですか?」と聞くと、彼女はこう言いました。

「わたしはお務めをしていて、主に父が母の面倒をみています。親戚たちも協力してくれているので、わたしにはそれほど負担はないのです。だから、疲れている訳ではないし、身体の不調がこんなに続く原因がまったくわからなくて…。」

わたしはその時、『脳は疲労に麻痺してしまう』という事を思い出しました。
 
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「疲労」のメカニズムを分子・神経レベルで解明した大阪市立大学 特任教授 渡辺恭良教授は、脳は疲労に麻痺してしまうと言います。

これまで、疲労の主な原因とされてきた物質は「乳酸」でした。

ですが、渡辺教授は、乳酸は実は疲労回復を早めるために分泌される物質であると突き止めました。

そして、疲労の本当の原因を原因を解明しました。

それは「活性酸素」。

活性酸素は、体中の細胞を傷つけます。

活性酸素の攻撃のスピードが、細胞回復のスピードを上回ると、疲労がたまっていくのだそうです。

ですが、脳は、身体の疲労に麻痺してしまいます。

活性酸素は長期的にじわじわたまっていきます。

ですから、実は自分がどれだけ疲労しているか、自覚症状がなくなってしまうのです。

そして、人は、疲れてもいないのになぜか体調不良が続く…思ってしまうのです。

その事を彼女に伝えると、彼女はこう言いました。

「確かに、家では母を抱きかかえて車椅子に乗せたり、寝返りを手伝ったりなど、いろいろな事をしています。母は女性とはいえ、まったく動けない人を動かすのは、結構重いんですよね。母が寝たきりになる前と比べると、日常的に身体に負担のかかる事は多くなりました。」

彼女は、何年も日常的に続いていることが普通になってしまい、身体的疲労にも麻痺している状態かもしれません。

ですから、そうなると、この数ヶ月の急な痛みや不調の原因は、何か他の急な疾患が原因なのではないかと思うかもしれません。

ですが、長年の疲労の蓄積が今になって、肩や腕、そして、腰や座骨神経にも出てくるようになってしまったとも考えられます。

『自分の身体の声を耳を傾けながら、無理せず過ごしてくださいね』と、彼女に伝えました。

日常生活での負担は変わらなくても、自分の身体の疲労と回復にもっと意識を向けて疲労回復に工夫していけば、痛みや不調も徐々に改善していくかもしれません。

みなさんも、原因不明の痛みや、不調、だるさが続いたら、それこそが、身体の声。身体のケアをしてあげてください。

医師の診察を受けるのも大切ですが、病院やお薬だけに頼らずに、日頃の身体のケアや心の癒しでの疲労回復を心がけましょう。

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